2015年07月05日

水素の医療利用に関する論文、280報を超す

一般社団法人分子状水素臨床工学研究会(理事長:高原史郎・大阪大学大学院教授)は6月24日、分子状水素が医療利用にかかわる学術文献が280報以上公刊されているとして意見広告を掲載した。

ご存じですか?
国内外で水素の医療利用に関する研究が進み、280報を超す論文が発表されています。
分子状水素臨床工学研究会
2015年6月24日 産経新聞に意見広告

この中で紹介されている学術論文によると臨床効果は、脳梗塞・パーキンソン病・肝腫瘍治療における放射線障害・B型肝炎・血液透析または腹膜透析・血管内皮機能・炎症およびミトコンドリア性筋炎・急性紅斑性皮膚疾患・関節リウマチ・乾癬性関節炎・筋肉疲労・運動負荷による酸化ストレスおよび代謝性アシドーシス・褥瘡(じょくそう)・Ⅱ型糖尿病・メタボリックシンドロームに及ぶ。部位別には、脳・脊髄・膵臓・目・耳・腸・気管・肺・心臓・肝臓・腎臓・精巣・血管・胃・筋肉・軟骨・骨・歯・高血圧・皮膚・代謝・周産期異常・炎症・アレルギー・癌などが挙げられている。

分子状水素の有用性が研究され、安全性も検証されているものの、「幾つかの病院においては、当会からみて、安全性への配慮を欠く仕方」により「正しい仕方で世間に根付くのを牽引するのではなく、逆にそれを阻害してしまう可能性」も指摘されている。
このような見地から同会では、医療機関をはじめ関係官庁や関連団体に対して、水素供与手段の標準化と関連団体への啓発活動を推進している。



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この記事へのコメント
健康増進と疾病予防に寄与する分子状水素の多様な機能を発揮するメカニズムの解明
太田 成男
研究期間:2014年4月1日~2017年3月31日(予定)

水素水の網膜神経保護効果と酸化ストレスの定量的評価システムによる解析
横田 隆
研究期間:2012年4月1日~2015年3月31日(予定)
研究分野:応用健康科学
研究種目:基盤研究(C)
研究機関:日本医科大学

放射線内部被曝による遺伝子損傷を水素が軽減する。24651055
太田 成男OHTA, Shigeo
研究期間:2012年4月1日~2014年3月31日
研究分野:放射線・化学物質影響科学
研究種目:挑戦的萌芽研究
研究機関:日本医科大学
放射線によって ヒドロキシルラジカルが生じ、それがトリッガーとなってラジカル連鎖反応を生じさせ、主に細胞膜において細胞障害をあたえることが知られている。低濃度の水素は、ラジカル反応誘発剤による細胞障害も抑制したので、水素は少量でも脂質ラジカルを抑制することにより連鎖反応を抑制して細胞を保護することを明らかにした。さらに、低い水素濃度でも、細胞膜の脂質過酸化を抑制することを明らかにした。

4.研究成果
 水素は脂質部分に水溶液よりも2倍蓄積すること、5倍も保持されることを明らかにした。この結果は、水素は生体膜上でヒドロキシルラジカルのような連鎖反応を誘起する反応に対してより効果を発揮できることを示唆している。
 1,2,3,4-tetrahydro-f1-carboline(THBC)や2,2'-Azobis(2-methylpropionamidine)dihydrocholoride(AAPH)のようなラジカル反応誘発剤による細胞障害を10%程度の濃度の水素が抑制したので、水素は少量でも脂質ラジカルを抑制することにより連鎖反応を抑制して細胞を保護することを明らかにした。
 さらに、3%程度の低い水素濃度にて、細胞膜の脂質過酸化を抑制することを明らかにした。
 以上の結果から、水素は低濃度でも細胞膜において脂質フリーラジカル連鎖反応を抑制することによって、細胞を保護することが明らかになった。




生体内酸化ストレスの定量的評価システムを用いた水素分子による糖尿病改善効果の解析
上村 尚美
研究期間:2011年4月28日~2014年3月31日
研究分野:食生活学
研究種目:基盤研究(C)
研究機関:日本医科大学


新規水素発生素材の経口投与による水素分子の老年病と生活習慣病の予防効果
研究課題番号:23300257
太田 成男OHTA, Shigeo
研究期間:2011年4月1日~2014年3月31日(予定)
研究分野:応用健康科学→応用健康科学
研究種目:基盤研究(B)
研究機関:日本医科大学
MgH2は水素吸蔵金属であり、水素分子を発生する。MgH2をマウスに経口投与し、まず安全性を確認した。MgH2投与により、2型糖尿病モデルマウスの血中の中性脂肪を効果的に低下させた。この原因を探るべくマイクロアレイにより網羅的に遺伝子発現の変動を調べた。すると脂質代謝、コレステロール代謝に関与する遺伝子の発現が水素によって増加し、時間的に遺伝子発現の変動を調べると、ミトコンドリアの生成制御を司るPGC-1αが上昇して、その後にミトコンドリアの脂質代謝の関与する酵素の遺伝子発現が上昇した。以上の結果より、水素発生素材は生活習慣病の予防に効果的であることが示唆された。

4.研究成果
(1)MgH2をマウスに経口投与し、まず安全性を確認した。 600倍の過剰投与を4週間繰り返しても異常は詔められず、妊娠マウスに過剰投与しても母体・胎児・出生マウスに何ら異常は詔められなかった。そこで、MgH2の経口摂取の安全性が確認された。
(2)MgH2摂取後に、血液の水素濃度をモニターすると、血中に多量の水素が出現し、数時間維持された。この結果より水素が体内で発生し、血中に移行することが証明された。
(3)従来、水素水をdb/dbマウスに投与すると血中の中性脂肪濃度が低下することを明らかにしているので、血中の中性脂肪を定量した。すると、2週間後には水素水の経口投与よりも効果的に中性脂肪を低下させた。MgH2の経口投与は、水素水の自由摂取よりも顕著な結果を示した。
(4)水素発生素材であるMgH2投与後の遺伝子発現パターンの変化をアイクロアレイによって網羅的に調べた結果、PGC-1alpha遺伝子の増加が先行し、その後に脂質代謝とコレステロール代謝関連遺伝子の発現が増加することが明らかとなった。
(5)以上の結果より、MgH2の経口投与は胃の中で大量に水素を発生させることができ、水素水の飲用効果よりも大きかった。そこで、MgH2は医薬品として、様々な生活習慣病と老年病の予防または悪化抑制用の医薬品として開発されることが期待される。



糖尿病の予防・改善における水素の効果
上村 尚美KAMIMURA, Naomi
研究期間:2008年度~2010年度
研究分野:食生活学
研究種目:基盤研究(C)
研究機関:日本医科大学
酸化ストレスは、糖尿病を誘発する原因のひとつと考えられている。一方、活性酸素種の中には、一酸化窒素のように生理作用に必要なものもある。従って、抗酸化物質を摂取する場合、有害な活性酸素種のみを除去し、生理作用に必要な活性酸素種を損なわないようにしなければならない。本研究では、糖尿病モデルマウスにおいて、水素分子を摂取することにより肝臓での酸化ストレスが軽減し高血糖や肥満の改善効果が得られることが明らかとなった。


ストレスによって生じる脳機能障害の水素分子による改善
研究課題番号:20500345
大澤 郁朗OHSAWA, Ikuroh
研究期間:2008年度~2010年度
研究分野:神経化学・神経薬理学
研究種目:基盤研究(C)
研究機関:日本医科大学→地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
本研究は、うつ病などを含む気分障害のモデルとなるストレス負荷動物に対して酸化ストレスの効果的な抑制剤である水素分子を投与することで、ストレスによって生じる酸化ストレスを抑制、海馬におけるニューロン新生の低下を回復し、海馬に依存した認知・記憶障害やうつ症状の抑制について検討するものである。主要な結果は、Neuropsycopharmacology誌で報告した。マウスに6週間、1日10時間の拘束ストレスを負荷し、水素を飽和量含有する水(水素水)を与える実験を行った。水迷路テスト、受動回避テスト、新奇物体探索テストの結果から、ストレスで生じた認知・記憶障害が水素水の投与により抑制されることが判明した。また、拘束により海馬歯状回における神経前駆細胞新生低下が認められたが、これも水素水の投与群では抑制されていた。さらに拘束ストレスによって蓄積する海馬領域の酸化ストレス(4-HNEやMDAを指標とした)は、水素水の投与により抑制されていた。一方、複数のストレスを組み合わせて与えるうつモデルでは水素水の効果を検証できなかった。しかし、このモデルでも神経前駆細胞新生低下が水素水の投与で抑制されたことから、神経細胞に対する水素の効果について分子機構を培養細胞で詳細に検討中である。


(5)考察
 拘束ストレスモデルでは、水素水による認知・記憶能力の抑制効果が観察された。この時、酸化ストレスの抑制と海馬神経新生の回復が見られたことから、水素水による酸化ストレスの抑制が神経変性を抑制し、その結果、高次機能の損傷が妨げられたものと考えることができる。さらに複数の軽度嫌忌事象を細み合わせたストレスによるうつモデルでは、水素水のうつ抑制効果を検証できなかった。しかし、このモデルでも神経前駆細胞新生低下が水素水の投与で抑制された。
 ストレスでは、脳内ストレス伝達系との関連を考慮する必要がある。血漿から視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA)系に関連するコルチコステロンや副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が水素水の投与により変化している可能性もある。特に視床下部室傍核のコルチコトロピン放出ホルモン(CRH)や慢性ストレスとの関連が指摘されているバゾプレッシンへの影響等が興味探い。
一方、酸化ストレスの抑制から、水素水の効果はコルチコステロンやグルタミン酸による神経変性を引き起こす活性酸素の発生を直接抑制している可能性が高い。




新しい概念の抗酸化物質である水素を摂取することによる生活習慣病予防への展開
研究課題番号:20300230
太田 成男OHTA, Shigeo
研究期間:2008年度~2010年度
研究分野:応用健康科学
研究種目:基盤研究(B)
研究機関:日本医科大学
研究概要(最新報告)

生活習慣病の原因のひとつは酸化ストレスであり、酸化ストレス軽減によって、生活習慣病の改善と予防が期待される。水素分子は、新しい概念の抗酸化物質であり、生活習慣病への予防効果が期待される。本研究では、認知症モデルマウス、動脈硬化モデルマウス、糖尿病・高脂血症モデル動物に水素分子を溶解した水を自由摂取させることにより、その改善効果と予防効果があることを明らかにした。


研究課題番号:19659331
水素ガス吸引による虚血再潅流障害の軽減
太田 成男
研究期間:2007年度~2008年度
研究分野:外科学一般
研究種目:萌芽研究
研究機関:日本医科大学

組織が虚血再灌流(I/R)に曝露されると、再灌流の早期段階でROSが大規模に生成され、肝、脳、心臓および腎など様々な臓器の組織に深刻な障害を引き起こす。これまで酸化ストレスによる1/R傷害は基礎研究および臨床研究の重要な焦点とされてきた。

I/R誘発性臓器障害の考えられる基礎的な機序は、多くの因子が関与し、相互依存的であり、低酸素症、炎症反応およびフリーラジカル障害に関与している。I/R傷害の病因は未だ解明されていないが、酸素フリーラジカルが重要な役割を担っていることは明らかである。それゆえI/R傷害への臨床的対応としては、フリーラジカル・スカベンジャーが実用的であると考えられている。実際に、これまでにもnicaraven, MCL-186,MESNA,およびαトコフェロールとGdCl_3などの多くの薬剤が、I/R傷害を予防するためのスカベンジャーとして試みられてきた。

私たちは、2007年に水素分子がラットの中脳動脈閉塞モデルを用いた研究で、水素分子が治療的抗酸化活性を呈することを報告した。また、昨年は、肝臓の虚血再灌流障害が、水素ガス吸引によって軽減されること、ヘリウムでは効果がなかったことを示した。虚血再灌流障害で、最も患者が多く、適用可能性が高いのは心筋梗塞であると予測されるので、心筋の虚血再灌流障害に対する水素ガスの吸引効果をラットモデルを用いて調べた。

結果は、水素ガスを吸引させると虚血状態でも心臓内に水素が浸透しることが確認できた。また、心筋梗塞モデルラットで水素ガスを吸引させることで、梗塞層が小さくなり、心機能の低下も抑制された。分離した心臓を用いても虚血再灌流障害を水素は抑制することが明らかとなった。
Posted by suisosuiso at 2015年07月12日 21:43
 
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