2014年08月20日

補助金、受給側の教授が審査 国のアルツハイマー病研究

2014年8月20日
 アルツハイマー病研究の国家事業「J-ADNI(アドニ)」の中核を担う厚生労働省が、同事業の最高顧問として研究を指導する井原康夫・同志社大教授(東大名誉教授)を、同事業に補助金を出すかどうかを審査する評価委員に選任していたことが分かった。厚労省は「利害関係者は加えないという指針に触れる可能性があり、不適切だった」としている。
補助金、受給側の教授が審査 国のアルツハイマー病研究

トピックス「J-ADNI」
 厚労、経済産業、文部科学の3省は2007~12年度、J-ADNIに計24億円を投入。今年1月にデータ改ざん疑惑を指摘され後継のJ-ADNI 2の予算執行を凍結中だ。行政と研究者のなれ合いを示す新事実が発覚し、事業の存続が見直される可能性がある。

 井原氏は日本認知症学会の元理事長で69歳。07年度のJ-ADNI立ち上げに奔走し、当初から現在まで最高顧問を務め、代表研究者の岩坪威(たけし)東大教授(54)を指導してきた。07年度に厚労省からJ-ADNI研究者で唯一、「指導料」として200万円を受領。経産省からは07~12年度、同志社大の自らの研究室が「関連技術開発費」として約1億2千万円を得た。
http://www.asahi.com/articles/ASG860J8MG85UUPI005.html

【関連記事】アルツハイマー病研究の国家プロジェクトでデータ操作



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Posted by suiso at 10:28
ニュース
この記事へのコメント
田村大臣閣議後記者会見概要
2014.1.17(金)
(記者)
 アルツハイマーのJ-ADNIの関係で、御見解をお伺いしたいのですけれども、弊社の取材で昨年の秋に改ざんではないかということを示すメールが、厚生労働省に寄せられていたにもかかわらず、実際調査を始めたのは今年に入ってからということが明らかになったんですけれども、その対応について適切だったのかというのは大臣はどのようにお考えかということを、まずお伺いしたいのですけれども。

(大臣)
 その研究者の方からどうやらメールを頂いておったようでありまして、それを念のためしなかったわけではなくて、事実があるのかどうかということは確認をしておったようであります。ただ、その時の確認の仕方自体がですね、そのメールを送られた方にこのような形で確認をさせていただきますというような確認といいますか、その方に同意を得て確認作業に入っただろうというところは、同意は得ていないような形でございましたので、それではちょっと対応自体が適切ではなかった部分があるというふうに思いますが、全く確認をしていなかったわけではなくて、そのような事実関係があるのかどうかということも含めて、一応聞き取りといいますか、対応はしておったようであります。

(記者)
 どのような対応を具体的に。

(大臣)
 その研究者の方がこのような問題があるということがあって、本当にこのようなことが起こるのか、ちょっと御不安を持っておられたようでございます。起こるのかというようなメールの内容でございましたので、そこに書いてある事実を関係者の方々に確認をさせていただいたと。こういうことが心配されていることがありますよということで、確認をさせていただくというような対応をしたということであります。

(記者)
 すいません。それは昨年11月にその告発のメールが担当者の方に寄せられた直後にそういう対応をされたという理解ですか。今までの私どもの取材によるとですね、理解では1月から調べ始めたというふうに、そうではないんですか。

(大臣)
 ではなくて、その前です。その前に対応は、対応というか確認したと。ただその時にですね、このような形で確認させていただきますというような同意をですね、そのメールを送ってこられた担当者の方に取ってはいなかったわけでありますので、そこはちょっと対応としては問題があったと思います。本来ならばその方にこういう対応をしますけどもそれでいいですねという確認を取ってから、そのような調査、調査というか、こういうことがありますけども事実はどうなんですかというような対応をすれば良かったんでしょうけれども、そこが意思の疎通が十分に多分メールを送った方とはですね、できていなかったという意味では、そこは適切ではなかった部分はあるというふうに思います。

(記者)
 そうしますと厚生労働省としては昨年11月にこういった告発のメールが寄せられた後ですね、放置したという認識はないということですか。

(大臣)
 全く何もしなかったということではないというふうに私は事務方の方から聞いております。

(記者)
 今後の調査、今年に入ってから聞き取り等の調査を始めたというお話があったかと思うんですけれども、現在の調査の状況といつ頃までに厚労省としての調査結果といいますか、判断をされるかと。

(大臣)
 いろいろと聞かせていただいているんですけども、仰っておることがですね、それぞれ違っておりまして、そこはなかなか共通の認識の部分がないんですね。そこで、これ中心にやってる研究、東大中心にやっておられますので、東大の方でですね、まずは自発的に調査をしていただくということでございますので、そこは我が省の方から、自発的に調査をされるのはいいですけれども、ただやはり第三者的な立場でやっていただかないとですね、国民の皆様方から見れば、そこが一方的な調査であればですね、何かおかしな調査になるのではないかという心配がありますから、そこは十分に第三者的な立場から公平な調査をしていただくべきですよというようなことは申し上げて、東大の方もそのような形で努力しますという話でございますので、実質的な調査はまず始まるんであろうというふうに思います。


2014.1.24(金)
(記者)
 J-ADNIの件でお聞きしたいんですけれども、今回ですね、内部告発された側の岩坪教授にですね、厚生労働省の方からデータの保全を要請したんですけれども、これ告発された側の方にデータを保全するということで、しかも告発内容をそのまま流したという厚生労働省の不祥事がありましたけれども、こういうことでですね、本当にちゃんと信頼性のある調査ができるのかと。厚生労働省と癒着してですね、告発された側がいろいろもうデータ保全してそのままいじっちゃうんじゃないかというおそれがあると思うんですけども、その辺についていかがお考えですか。

(大臣)
 まずですね、告発といいますか、御訴えをされた研究者の方にはですね、我々として対応が不適切でありましたので、もう少し配慮をしないといけなかったわけであります。その点は前回もお詫び申し上げましたけれども、大変申し訳なかったことだというふうに思います。それからですね、訴えられた側といいますか、受けられた側に関して厚生労働省と癒着してということはまずありません。これはございませんからはっきり申し上げますが、そこはですね、コンピューターでの記録ですね、電子記録になっておりまして、その後何かデータをいじるということになれば記録が残るという仕組になっておるようでございまして、その後何かいじるようなことがあればそのような形でデータを変えたということがわかるということでございますので、そこに関してはそのような確認をさせていただいたということでございますから、以降そのようなことがあれば我々としてはなぜデータを変えたのか、また変えない措置をしたというふうにもお話をお聞きいたしておりますので、それがもしコンピューター記録でデータを変えたというような記録がですね、残っておればその時には何らかの我々もですね、対応をしなきゃならないというふうには思います。

(記者)
 ただその実際、今回調査に責任を持つのは東大だということなんですけれども、東大がですね、励行でもするならわかるんですけれども、東大の断りなしに厚生労働省がデータを保全しろと、告発された側の方に要請していると。これはこういうことで信頼性は保てるんですか。

(大臣)
 データが書き換えられると問題があるわけですよね、それは。そういうことですよね、改ざんされると。そういうふうにならないような措置をお願いした、措置をお願いした時にですね、返ってきた御返事がコンピューター記録ですからコンピューターに履歴が残りますので、データを変えたものも残るわけですよね。そうするとその時点でできないわけでありまして、それ以降データを変えるというようなことはしないと、そういうことは我々としてもしない、そのような御返事をいただいておりますので、もしその後変えておった場合に関しては記録でわかりますから、そのような意味で不正とは言いませんけども、しないと言ったものが変わっておったとすればですね、その時は我々もそこに対して一定の対応をしなきゃならんというふうな話でございますから、その確認が取れたということであります。

(記者)
 ただですね、その実際データのコンピューター上の保全とおっしゃいますけれども、今回保全してある部屋から持ち出したんですけれども。

(大臣)
 何をですか。

(記者)
 それは有害事象ファイルといって、これまでいろんな問題があったといったものが紙ベースとして保管してあるものを。

(大臣)
 それはどこの話ですか、どこに保管されている。

(記者)
 データセンターというところがあるんですけれども、そこを今回の厚生労働省の要請でその紙媒体ごと保全したということなんですけれども。

(大臣)
 厚生労働省の要請で。

(記者)
 要するにね、データが書き換えられたらわかると言うけども、そのコンピューター上のものだけではなくて、紙ベースとなってですね、有害事象ファイルとして残っている資料もあるんですけれども、そういったものも含めて今、岩坪教授側が持っていると。

(大臣)
 これ詳しくはまたうちの事務方といろいろと議論してお話ししていただければ良いと思いますが、私が聞いておる範囲では元の生データは各医療機関等々の研究、研究というか元のところにあるわけですよね。それを電子データというような形で岩坪教授が管理している、もちろん途中でプリントアウトすればそこは紙データはあるのかもわかりませんが、元の大元のデータはそれぞれそれをとったところにあるわけでありますので、それと比較をすればですね、改ざんしているかどうかというのは確認ができるのであろうというふうに聞いております。元の一番大元のデータが改ざんできるような話になっておれば、それは別かもわかりませんけれども、そのデータとそれからコンピューターに入っているデータ、コンピューターに入っているデータは途中でいじれば記録が残ると、そういうことでございますからそこはある程度記録の整合性といいますか、それは担保できるものだというふうに私は聞いております。またちょっとうちの担当の方と細かい話はお詰めをいただいてですね、その上でまた御質問をいただければありがたいというふうに思います。

(記者)
 実際ですね、東大が調査すると決まっているんですけど、岩坪教授側も今その改ざんの有無について調査をしているんですけれども、これはいいんでしょうか。要するに調査自体は東大がやるということになっているのに、岩坪教授側がですね、まだ調査を続けておるという件についてはどうですか。

(大臣)
 ちょっとそれは確認させてください。私は岩坪教授が今どのような形で調査しているのか確認取れておりませんので。ただその調査の中においてやられているとしてですよ、何か改ざんができるという話になれば問題があるのかもわかりませんけれども、そうでなければどのような調査なのかちょっと確認してみなければ私もわかりませんから。

(記者)
 そもそもですね、東京大学が第三者でいるのかどうかと。本当は弁護士とかそういうのを入れてちゃんとした第三者調査機関として調査すべきではないかと思うんですが、その点をお願いします。

(大臣)
 例えばノバルティスのディオバンの件等と比べてどこが違うかということですよね。あれは第三者といいますか、検討会を作ってですね、検討委員会の下でいろんな調査をしました。ディオバンの場合はすでに出ておった論文自体が正しくないということがわかって、かなりこのデータに対して改ざん、若しくは間違ったデータが発表されてそれを基に論文が作られておったということが蓋然性が高かったわけであります。だからそのような場合に関しては第三者委員会のようなものを作ってですね、それの下にいろんな調査をさせていただいたわけでありますが、今回の場合はそこまで改ざんがあるというような蓋然性が高いわけではありませんでして、中からの内部でのいろんなお声があられた。それを基に本来その研究をやられている主体がですね、やはり調査をまずされるのが第一であろうと。ましてや大学となれば大学の自治という問題もありますから、そこでまず内部的な調査をしていただく、そこで出て来た結果が非常に改ざんの蓋然性が高いというものであればそれは我々は第三者委員会等々を作ってですね、調査をする。つまり、ディオバンのような対応をするという話でございまして、まだ我々もそこの改ざんがあったということに関してですね、それが本当にあったのかどうなのかという判断を下しておりませんし、そこはまず中で御調査をいただくということなんだろうというふうに思います。

(記者)
 なぜこういう質問をしているかというと、大臣がこの前の会見でですね、第三者的な立場で調査を進めてもらうというふうにおっしゃったので、ならばそれが第三者と言えるんですかとお聞きしているんです。

(大臣)
 東大もですね、当然のごとく第三者的な調査を、調査する時には第三者的なことをやるわけですよね。もちろん、公平・公正にという意味で調査をされるであろうし、我々も今回の調査が一方に偏っておるというようなふうに見られたんではそもそも東大が調査をやられたその意味合い自体がなくなってしまうわけでありますから、そのような形で公平な立場で調査をしていただきたいという意味で、第三者的な立場で調査してくださいというお願いをさせていただいたということであります。

(記者)
 東大の調査委員会はメンバーとか責任者はもう決まったんでしょうか。

(大臣)
 それはちょっと私はまだ確認はいたしておりませんが、まだ決まっておりません。

(記者)
 それいつ頃決まるんですか。

(大臣)
 早急にという話です。

(記者)
 ただそのもう大分時間が経ってですね、データ保全してるって言ってもそういうふうにどういうふうにまたいじられるかわかんないという状況で早くしたほうが良いと思うんですけれど、なぜ目途が立たないんですか。

(大臣)
 それは東大に確認してください。

(記者)
 厚労省はもうタッチしないということですか。

(大臣)
 タッチしないんじゃなくて、我々は東大の調査というものが正当に行われるかどうかというものに関してはある程度見ていきますけれども、まずは東大の中で調査をしていただくということでございますから、どういうようなメンバーを選考されているのか、そういうものに関してはやはり大学の自治でありますから、東大の中でお決めをいただくと。それがあまり偏っているようなことがあればですね、ちょっとそのようなメンバーはということはあるのかもわかりませんけれども、基本的には大学の自治の中において自ら、東大も学問の府としてですね、日本の中で確固たるお立場をお持ちなわけでありますから、いい加減なことをされるということはまずないだろうというふうには思っておりますけれども、そこは大学の自治という中においてしっかりと第三者的な調査をやっていただけるものではないかと。もちろんあんまり遅いようですと、言われたとおり、そのような疑いの話が出てまいりますから我々も早くやってくださいというようなお願いをさせていただくということになろうと思います。

(記者)
 要するに、大臣がおっしゃる第三者というのはノバルティスのような、本当にメンバーからですね、第三者的な立場であるというんではなくて、また東大で第三者的立場というのは公平にあるという意味であって本当の意味での第三者ではないということでいいんですか。

(大臣)
 これはまず東大がやられることですから、あんまり私が口を挟むことではないのかもわかりませんが、基本的に東大がやる調査に関してですね、それぞれ関係者、また国民の皆様方が見られる中においてこれは一方に偏ったような調査じゃないかというふうに思われないような調査をしていただくことというふうに思います。


2014.2.12(水)
(記者)
 J-ADNIですけれども、東大への調査依頼についてでありますけれども、東大の調査依頼に法的な根拠があるのかということと、あと先日杉下守弘氏が要請文を出されましたけれども、その対応について、この2点を教えてください。

(大臣)
 要請文の法的な。

(記者)
 いや、要請文ではなくて、厚労省から東大への調査を依頼しているわけですけれども、それについて法的根拠があれば。

(大臣)
 これはですね、あくまでも依頼というような形でお願いをさせていただいておりますということでございますので、法的根拠というか、全体としてはお願いをするという法的根拠があるのかは分かりませんが、それに対して強制権であるとかいうような類のものではないというふうに思います。ただ、東大の方は前向きに捉えていただいておりますので、調査をしていただける方向で進めておるというふうにお聞きをいたしております。それから3点でございますが、今研究分担者の方から、研究分担者の管理下から持ち出されたとする資料の返却、少なくても第三者の管理下に置くこと、それから厚生労働省を始めとする関係省庁による徹底した調査を行うこと、3番目といたしまして東京大学で調査するのであるならば、第三者の立場からの公平な調査を迅速かつ徹底的に行う、結果を全面的に公開するよう指導するというような要請を頂いておるわけでございますが、まず、この研究者の方が管理下に置かれました資料の返却、少なくても第三者による管理下に置くことということに関しまして、我が方といたしましても確認をさせていただいたわけでありまして、第三者、言い分もそれぞれ違うものでありますから、第三者の方にこの資料をしっかりと保管をいただこうとお願いをさせていただいたんですけれども、この研究者の方から、それでは駄目だというようなお返事でございましたので、要請文は頂いたんですけれども、御本人の方に御理解をいただけなかったということで、第三者の方に保管をすることはできなかったというような状況でございます。それからあと、徹底した調査、これはなかなか厚生労働省を始め、関係省庁による徹底した調査というのは、どういうことを仰っておられるのか、なかなか理解できないところがあるんです。といいますのは、例のディオバンの場合も調査とはいえ、実質的に調査をやられたのは、各大学がやられたわけですよね。その調査を基に、頂いたものに関して検討委員会というものを作ってやったわけでありますけれども、第一義的には各研究機関、大学等々で調査をしていただくというのがですね、これがなかなか出張って行ってやるだけの権限も我々にはないわけでございますので、そういう意味ではそこをまずお願いをさせていただくということでございまして、今般東大にお願いをさせていただいておるということでございます。東大の方には、ここに頂いておりますように第三者の立場からの公平な調査を迅速かつ徹底的に行い、結果の方も公開いただくというようなお願いはさせていただいております。東大の方もそのような方向性で前向きに今検討いただいておるということでございますから、近くそのような方向になるのではないのかなというふうに、我々も期待をさせていただいております。以上でございます。

(記者)
 専門的な見地でやってもらうということでなんですけれども、学術的に専門的に東大で。それは厚労省ではそういう学術的・専門的な調査は難しいと。

(大臣)
 といいますか、元々ディオバンの時もそうだったんですけれども、権限的に入っていって資料を強制的に取って調査をするという権限はなかなかないんですね、今。ディオバンの時も薬事法に則って最後はやったというところがありますけれども、今般の場合、薬事法の適用というわけでもありませんので、そういう意味ではなかなか調査をする権限といったものが我々の方にはなかなかないというのが現状でございまして、まずはそういう意味では研究機関でしっかりと調査をやっていただくということが、第一義的だろうというふうに認識いたしておりまして、そのお願いをさせていただいておるということでございます。
(記者)
 ノバルティス等が販売する白血病の治療薬でですね、これの医師主導の臨床研究を巡ってノバルティスの社員がデータの解析にも関与していた疑いが出ているんですが、この問題に対する御見解と、今わかっている事実があればですね、厚労省の方で把握している。

(大臣)
 データのいろんな収集なんかでお手伝いをされてて、何かポイントが付くなんて話があったわけでありますが、今般、今おっしゃったような事案、つまり研究者の方々が頼んだのかどうかちょっとわかりませんけれども、その方々の持っているデータを解析したという話、これは我が方にもですね、そういう話が入ってきております。事実関係を今確認をさせていただいておる最中でございますからはっきりしたことはまだ申せませんが、もし本当であればですね、これはそもそも時期的なものも調べてみなければわかりませんが、一切ノバルティスが研究には関わらないというお話でございましたのに、それを破ってこういうことをされておられたとすればこれはもう大変遺憾な問題であります。我が方としてどういう対応ができるか、これ法的根拠はなかなか難しゅうございまして、企業が自らそういうことをやらないと言われたことに対して自らが違反されたことでございますから、法的な対応等々は難しいわけなんです。ただですね、これがもし本当にそういうことがあるとすれば、それなりの大きな企業ですから、そこが公に約束したことを破られたとするならば大変遺憾な問題でございまして、我々は強く抗議をさせていただかなきゃならんと思ってます。まだ事実関係の(確認の)最中でございますから、その事実がわかってですね、それ次第ということになりますけれども、そういうような状況の中で我々としては抗議ということで対応させていただかなきゃならないこともあり得るというふうに思います。

(記者)
 その話が入ってきているというのは関係者に事情聴取をして、そういったような関与が疑われるような情報が入ってきていると。

(大臣)
 まだそこまで確定的な情報ではございませんから、そこははっきりと申し上げられません。


2014.2.14(金)
(記者)
 昨日の予算委員会での御答弁に関連してなんですけれど。

(大臣)
 J-ADNI。

(記者)
 はい。公益通報のガイドラインにですね、抵触していないということであれば、なぜメールを送った方にですね、謝ったのかと、謝罪されたのかと。

(大臣)
 これは正直申し上げまして、国家公務員法の守秘義務の問題に関わってくる問題でございまして、その点から違反をしておるということである疑いがあるということでございますのでお詫びをさせていただいたと。これに関してはしっかりと処分対象でございますので、東大の調査というのものがどのような調査結果が出てくるかということも推移を見守らなきゃなりませんが、それを見た上でですね、国家公務員法に則って処分をさせていただくということになると思います。

(記者)
 何か再発防止策というのは考えてますか。

(大臣)
 再発防止策っていいますか、そもそもですね、国家公務員が得た情報を他に漏らしてはならない。特に個人の情報でございますから、本来やはりやってはいけないことでございますので、今般の公益通報保護という観点ではなくてですね、そもそものところでですね、やっぱりこれは国家公務員法に抵触するということでございますから、もうそういうことがないようにということで、これは徹底してまいりたいというふうに思います。

(記者)
 東大の調査はちょっと国家公務員法の関連とまた違うと思うんですけれども、それは待たなくてもいいかなと。

(大臣)
 それはなぜかといいますと、これがどのような影響を及ぼすかっていうことになってくるわけですね。つまり、もしこれで東大の調査でいろんな事実が出てくる、このまま何ら問題がないという話になれば後に与える影響というものがそんなに大きく広がらないわけでありますけれども、もし何か問題があった時にはですね、今回の対応というものが後に影響を与えるということにもなりますから、そこはしっかりと調査の推移を見守らないことにはですね、最終的にどのような処分を下すかということに影響してくるということでございますので、それをしっかりと見ながら対応させていただくと。いずれにしても、これは我々としては処分の対象になるというふうに考えておりますので、後はどのような処分かということに関して、東大の調査を見守らさせていただくということになろうと思います。


2014.2.18(火)
(記者)
 J-ADNIでですね、告発を受けなかったことについて一つお聞きしたいんですけれども、公益通報保護の訓令第13条というのがあって、要件を満たさない通報を受け付けることを妨げるわけではないという条文があると思うんですけれども、これまで大臣が仰っているように今回労働者ではないことや、外観上法律違反があるかどうかわからないということから、ずっと仰ってきたと思うんですけれども、それを踏まえたとしても、この第13条に当てはめればこの通報を受け付けることができる案件だと思うんですけれども、御認識をお願いします。

(大臣)
 それはたぶん公益通報に準じて、公益通報としてね、公益通報に準じて要するに受け付けることができるということは、受け付けることをこれを理由に妨げてはならないという話なんですよね。つまり、何か他に理由がある場合はもちろん処理しなくてもいいわけなんですけれども、そういう理由がなしに、この公益通報保護の対象にならないから、だから受け付けないということは駄目だという規定だと私は読んでおります。ですから、今般の場合、他に何の理由があるのかということにおいてですね、そもそもその公益通報というものにこちらとしては認識を、基本的にはあのメールについてはさせていただいていないので、それはなぜかというとあの内容を見ていただければ、言うなればこういうことを教えてくださいというような文章になっておりますから、そのような扱いをしなかったと。理由はそういうことだというふうに思います。それはあくまでも、公益通報保護法に則った訓令、ありますよね、そういうものでこういうものは公益通報ではないから、そういう理由で受け付けないんだということは駄目だよねと、他に理由があるならばいいけれども、これを盾にして受け付けないというのは駄目だよねという規定だというふうに私は読み込んでおります。

(記者)
 いずれにしても、その外観上は法律違反かどうか分からないと、だけれども法律違反ではないと断定できなくて。

(大臣)
 まずメールの内容はたぶん御承知になられているかも分かりませんが、明確な公益通報のような書きぶりではなかったのも事実ですよね。要するにこういうことがあるけれども、こういうので本当にいいんですか、教えてくださいというような文章であったというふうな話だと思います。初めの受付から我が方の認識としてそのような認識であったということなんだと思います。

(記者)
 その後ですけども、東大にお願いをしてたかと。確認ですけども、東大への要請というのはこれは法的根拠はないわけですよね。

(大臣)
 法的根拠がないというか、一般的にですね、このような研究の方針等々でですね、いろいろと中で齟齬(そご)がある場合にはそれがどういうような研究の指針なのか、手法としての基準は何なのかということも含めて、一方でその中で改ざんがあられるというようなこともおっしゃっておられる方もおられるわけでありますから、(東大の)中でまず調査をしてくださいと。

(記者)
 それはわかるんですけど、要請する法的根拠はないということでいいですよね。

(大臣)
 法的根拠という意味合いがちょっとわかりませんが、補助金を出しておりますよね、補助金を出しておるものに対して適正に使用してなければ、それに対してその理由を明確に示さなきゃならないというようなことはあるとは思いますけれども、基本的に例えばディオバンの時のような薬事法の違反というような問題では今回はありません。なぜかというと薬を作る、若しくは薬に対しての有効性を示す、そういうものに対しての臨床研究じゃないものですから、今回はアルツハイマーだとか認知症に対しての広範な治療薬も含めてこれから作っていくためのまず基礎的な研究になっていますので、薬事法違反だとか何々法違反だというような法律違反にはかかってこないと。

(記者)
 法的根拠がないまま東大に要請しても、東大の場合、他の38大学の調査権限がないわけなんですけれども、あえて法的根拠がないまま要請して東大が調査権限を持たないと。それなのに東大にやらすということの理由を教えてください。

(大臣)
 まずですね、こういうような問題が起こった時は研究者としてもですね、研究機関としての責任はあるんだと思います。その中心が今回東大の先生が主任の研究員でありましたから一義的に東大にお願いすると同時に、そこは我が厚生労働省としても関係している研究機関・大学に対してもですね、厚生労働省としてこの調査に研究するように依頼をお願いをさせていただくということでございまして、そこは東大が中心になって今回の調査をしていただく中において、厚生労働省も各研究機関に協力をお願いをさせていただいておると、こういうような状況でございます。


2014.2.21(金)
(記者)
 J-ADNIなんですけれども、告発を受けなかった、訓令でできる規定があるけども、他に理由があったので、受け付けなかったということなんですけれども、それは受け付けなかった他の理由が、メールの文面からしてその調査してくれという内容ではなかったということでしたけれども、その後その御本人は2回に渡って調査をしてほしいということを対面で仰っていると思うんですけれども、そことの整合性をどうお考えておられますか。

(大臣)
 この間の質問はメールに関しての対応ということでございましたので、そういうようなお答え方をしたわけでありますが、メールで送った公益通報の話の中での対応の訓令と、情報保護の観点からの御質問だったので、そういうお話をさせていただいたんですが、実際その担当の研究者の方からその後何度かうちの担当がお会いをさせていただいて、研究の中に問題があるんではないかという御指摘も頂いております。それを頂いた上で、実際御指摘いただいた部分の資料なんかも拝見をさせていただきながら、これは要するに以前も申し上げましたけれども、たとえば改ざんであるというようなお話もあったわけでありますが、改ざんであるのか、情報の訂正なのか、その手法は前から申し上げておりますとおり、時間、日にちも含めて御本人のイニシャルを含めて訂正をしているという、よくある医療等々での訂正の手法をとっておられるような訂正の仕方でありますから、改ざんなのか訂正なのかということも含めて、東京大学の方にまずは内部調査をしていただかないと分からないということで、調査を依頼をさせていただいたということです。

(記者)
 対応はわかるんですけれども、つまり告発を訓令に基づいてできる規定で受けなかった理由が。

(大臣)
 要は始めのお話というのはまず、第1弾の話というのは、公益通報というものに準じたガイドラインと訓令があるわけですよね、それは何かというと、要はメールに対しての話なわけですよね。つまり、メールを受けてうちの職員が相手の方の名前をですね、訴えている方に明かしてしまったと。これは要するに情報保護の問題等とも含めて、そのような内部通報、公益通報に準じた形で頂いたものを出すのに問題があったんではないかということでございまして、先ほど言った訓令上では問題はないけれども、それはしかし国家公務員法における内部情報、要するに守秘義務からすれば問題があるので、その部分からすれば我々としては担当のうちの人間をですね、何らかの処分をするというような話を以前はさせていただいたんだと思うんですよね。それはちょっと別の話で、ただ一方でその後、言うなればこれは問題があるんではないかと、もしかしたら改ざんがあるんではないかというような御指摘を頂いたものでありますから、それに対する対応は、だからそれならば調べる必要があるでしょうから、東京大学に内部調査をお願いしますと、第三者的な内部調査をお願いしますという依頼をしたわけでありまして、そういう対応の仕方をしたという話で、始めは言われた方の名前を相手に伝えてしまったという情報保護の観点の問題とそういうような訴えに対してどう対応をしたかという問題とはちょっと分けてお話をさせていただいております。

(記者)
 どう対応したかということでお聞きしたいんですけれども、要するに最初受け取った専門官の方がこれは告発ではないという受け止め方をしたと、それはそれで彼の受け止め方としてあると思うんですけれども、その後、そのまさにメールについて御本人が、いや、あれは告発なんですと、調べてほしいという訴えだったんですよということでわざわざ説明しているのにそれに対してまだ受け付けないと。

(大臣)
 受け付けないんじゃなくて、だから東京大学の方に調査をしていただきたいという一歩を踏み出したわけですよ。これ、そう受け止めてなかったら東京大学にこんな依頼もしませんからね。まず東京大学の中で調査を始めていただくというような、そういう方向に厚生労働省として、これはお願いベースでありますけれども、一歩踏み出したわけであります。そこでいろんな調査が入ってですね、事の真相というものが出てくるんであろうと思っておりますので、全く対応してないわけではございませんから、そこは、ということであります。


2014.6.27(金)
(記者)
 J-ADNI問題について、東大の方が調査結果を発表いたしました。それについての受け止め方を教えてください。

(大臣)
 東大の方の報告を見させていただきますと、非常に、改ざんはなかったということでありますが、ただ、何と言いますか、非常に、研究の仕方、データ等々の管理も含めてずさんなところがあったというような内容であったというふうに認識いたしております。改ざんがあったかなかったかというのは、東大はデータなんかは修正というような形で、その修正の仕方自体が不適切であったというような書き方ではありますけれども、改ざん自体ではないというような書き方ではあるんですが、それも含めて、これから詳細に東大の方で第三者を入れて、データを一つ一つチェックをしていくというふうに我々はお聞きをいたしております。その過程でどういうことがあったのかというのはわかってくるであろうと我々は思っております。我々も我々なりの範囲内でいろんな聞き取りをやっていきますけれども、いずれにいたしましても、私どもはまだ改ざんがなかったかあったかというようなことを断定をしているわけではありませんので、それをもってして、これから詳細に我々としてもこれを見てまいりたいというふうに考えております。
(記者)
 一つ認識を改めていただきたいんですが、悪意のある改ざんとは断定できずということで、改ざんがなかったとは結論づけておりませんので、その辺御認識を。
(大臣)
 断定できずでしょ。

(記者)
 できなかったなので、あるともないともはっきり書いてないということで。
(大臣)
 そうですよ。

(記者)
 なかったという調査結果ではないということは御認識ください。で、その上で今後の調査のあり方についてどうされるのか、特に同意書を取っていないという重大な倫理指針違反が、ここにちゃんと書いてないですけれども、複数わかってですね、この同意書がないということ自体は非常に重たい倫理指針違反で、過去に各大学であった場合は大学で記者会見を開いて謝罪会見をするぐらいな重大な事項なんですね。今回どこの大学であったかすら明らかになっておらず、同意書がないケースがまだ更にあると思われるということがこちらに書いてあります。これについて国として、国が指定した事業ですから責任を持って重大な倫理指針違反についてお調べにならないんでしょうか。
(大臣)
 今も申し上げましたが、東大の方で第三者的な調査という形で全データをこれから見直すというふうに聞いております。その時に同意書があるかないか、これはわかりますね。その報告を待ちたいというふうに思います。
(記者)
 東大の方の第三者調査についてはいつぐらいまでを目途にということに。

(大臣)
 それはまだ聞いておりませんが、やられるというようなお話は我々聞いております。

(記者)
 J-ADNI2についてなんですけれども、こちらバイオテクノロジー開発技術研究組合というところが国から指定されて事業を行っているんですが、こちらについて利益相反委員会というのを開かずに申請していた。で、その申請について審査される予定中というものについて8か月担当官が放置していたという問題がございました。こちらについての受け止め方を教えてください。
(大臣)
 これは交付申請する時にまず、COI委員会といいますか、要は利益相反があるかどうかいうことを確認するための委員会を作るということがある程度、何といいますか、申請の時ですから、そういうような意思表示があって、交付する時にはできている、設置されていると。設置されれば速やかにこれは審査を行っていただくというような形になっておるわけであります。これは交付申請の時には実は機関の中に、この組合員の中に作っていただくという方法と、外部で作る場合もあるわけでありまして、外部で作る場合は特例的にこれはその時には設置していなくてもいいというような話でございましたが、本来交付の時には設置していただくのがこれはベストであるわけでありまして、その時に我が方としても確認をちゃんとできていなかったというのは我が方の方も問題があったというふうに思います。ただ、補助金の支給というような形からしますと適正化法なんかの逐次解説を読みますと、問題があった場合にはまずはちゃんとそれに対して是正をさせるということでありまして、そういう意味ではJ-ADNIでまさに朝日新聞がああいう形で報道いただいた時に、我が省としましても、これCOI委員会どうなんだということで確認をさせていただいたらできていなかったということなので、すぐに是正をさせるために作ってくれといいましたら、その後作って審査を行ったということでございましたので、事業内に審査は行っておりますから、一応、適正化法上はこれは適切ではありませんけれども合法であるということで返還までは求めておりません。
(記者)
 結果について議事録も確認していないままですね、適正だったというふうになっていることが。今後確認しないんですか。
(大臣)
 確認はしますけれども、今いただいてますが、これは制度上は提出をさせるものではないわけでありまして、何かあった時に確認をするというようなものであります。今回の場合はこのような状況でございますので、これを提出をさせて確認をいたします。
(記者)
 今回、東大に調査を任せた結果、結局、東大の調査権限では38医療機関にも聞けず、他のデータセンターのデータも見れずということだったんですけれども、今回また東大に調査を依頼して、国として責任持って第三者委員会を作らないということについて、なぜ、あえてまだ国ではなくて東大に調査させるのかということについて御見解をお聞かせ願えますでしょうか。
(大臣)
 東大が自主的に調査をされるということでございますので、それを見守らさせていただくということであります。国がやろうと思えば当然、それだけの人等々を確保しなければならんわけですよね。普通、研究というものはその研究機関、若しくはその研究機関の中心になっている大学といいますか、そういうところがまずは調査をしていただくというのが、これは普通であります。御承知のとおりディオバンもそうでありましたので、ノバルティスファーマの。まずは調査をそれぞれやっていただくと。その上で問題があった場合には我々も入りますが、基本的に我が省も立ち入り権限というのはあまりないんですよ。薬事法上の違反が認められないとね。まずはやっていただくのが今までも普通でございましたので、東大にでやっていただくということであります。
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/
Posted by 田村大臣閣 記者会見 at 2014年08月21日 14:23