ヤマイモ成分がアルツハイマー病に効果
「認知症」最新研究
脳研究に我々が最も期待しているのは、認知症の予防・治療ではないだろうか。本人のみならず周囲を奈落の底に落としかねないこの難病に、科学者たちは日々立ち向かっている。
〈ヤマイモ成分がアルツハイマー病に効果〉
こんな見出しが新聞各紙に躍ったのは昨年7月のことだった。
富山大学によると、同大和漢医薬学総合研究所の東田千尋准教授らのグループが、ヤマイモなどに多く含まれているジオスゲニンという成分をアルツハイマー病のマウスに20日間投与したところ、神経細胞が回復し、記憶力の改善が見られたという。
"これを人間に当てはめた場合、
1日10kgのヤマイモを食べないといけない"というオチがつくが、それでも朗報には違いない。
日本人が平均、年に約78回食べているというカレーもアルツハイマー病と関係が深そうだ。
「"クルクミン"という成分が、アルツハイマー病の進行を食い止めるとされています」
とは先の久保田名誉教授。クルクミンは、カレー粉の原料であるウコンなどに多く含まれている成分である。
カリフォルニア大学の研究チームが、細胞培養実験で3人のアルツハイマー病患者から免疫細胞を採取しクルクミンで処理したところ、アルツハイマー病の原因の一つとされるアミロイドベータというタンパク質が減少したという。他にもマウス実験などさまざまな方法でクルクミンの効能が確認されている。
「インド人はアメリカ人と比べてアルツハイマー病の発症率が4分の1であるというデータもある」(同)というのだから、食卓にカレーが登場する頻度は高まりそうだ。
週刊新潮 2013年11月14日号(2013/11/07発売)
ヤマイモ成分で記憶力改善 アルツハイマー病に効果
日本経済新聞 2012/8/5 20:34
富山大和漢医薬学総合研究所(富山市)の東田千尋准教授(神経機能学)らのグループが、ヤマイモなどに多く含まれる「ジオスゲニン」という成分に、アルツハイマー病の症状を改善する働きがあることを発見した。英オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した。
東田准教授は、神経細胞の活性化に効果のある物質を研究する中で、ジオスゲニンに注目。アルツハイマー病の症状があるマウスに1日1回、20日間ジオスゲニンを投与した。その結果、患者に典型的にみられる、神経細胞の軸索という突起の変性が正常に近い状態に戻り、マウスの記憶力に改善がみられた。
さらに病気の原因となるタンパク質「アミロイドベータ」も約70%減少したという。
東田准教授によると、原因物質を減らす新薬は研究されているが、変性してしまった神経細胞を戻したり、記憶力を改善させたりする効果はまだ得られていないといい「治療薬開発の可能性が広がった」と話している。〔共同〕
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2901L_V00C12A8CR8000/
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