健康・医療戦略 考え方まとめる
政府の健康・医療戦略推進本部の専門調査会は、認知症やうつ病などを根本的に治療する薬の開発に向けて、2020年ごろまでに人に投与して安全性を確かめる治験を始めるなどとした、健康・医療産業の振興についての基本的な考え方をまとめました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131217/k10013884191000.html
医療分野の研究開発に関する総合戦略(基本的考え方)
平成25年12月16日
1.基礎研究成果を実用化に繋ぐ体制の構築
医療の研究開発を持続的に進めるためには、基礎研究を強化し、画期的なシーズが常に産み出されることが必要である。基礎研究の成果を実用化に展開するためは、臨床研究・治験実施環境の抜本的な向上、及び我が国発の医薬品・医療機器の創出に向けたイノベーションの実現が鍵となる。
2.医薬品・医療機器開発の新たな仕組みの構築
国内に埋もれている有望なシーズをくみ上げるシステムを構築し、それを実用化に結び付けるため、最終的なビジネスとしての発展も視野に入れつつ、基礎から臨床研究、実用化までの一貫した研究開発の推進、さらに臨床現場における検証と新たな課題を抽出できる体制の整備が必要である。
3.エビデンスに基づく医療の実現に向けて
近年、エビデンスに基づく医療の重要性が増しているとともに、臨床研究・治験における国際競争力の強化に向けても、客観的データを活用した取組の必要性が増している
○疾患に対応した研究
関係省庁の有機的連携のもと、病態の解明に係る基礎研究から実用化に向けた研究まで一体的に推進する
【2015年度までの達成目標】
・精神・神経疾患については、
分子イメージングによる超早期認知症診断方法の確立
精神疾患の診断に関連するバイオマーカー候補の発見
【2020年頃までの達成目標】
・精神・神経疾患については、
日本発の認知症、うつ病等の精神疾患の根本治療薬候補の治験開始
精神疾患の客観的診断法の確立
脳全体の神経回路の構造と活動に関するマップの完成
【2020-30年頃までの達成目標】
・生活習慣病(糖尿病や脳卒中、心筋梗塞等)の劇的な改善
・発がん予測診断、抗がん剤等の医薬品副作用の予測診断の確立
・うつ、認知症の臨床研究の開始
・神経難病等の発症原因の解明
○革新的な医療技術創出拠点
文部科学省及び厚生労働省が一体となって新たな事業を創設することにより、両省の強みを生かしながら、アカデミア等における画期的な基礎研究成果を一貫して実用化に繋ぐ体制を構築するとともに、各開発段階のシーズについて国際水準の質の高い臨床研究・治験を実施・支援する体制の整備も行う
第5回 医療分野の研究開発に関する専門調査会の資料より
関連記事